Dermagraft®と皮膚移植の比較
皮膚は人体で最大の臓器で、表皮と真皮の二層から構成されます。その機能は多岐にわたり、皮膚の完全性を回復することは極めて重要です。
創傷治癒が不十分な場合
大きな創傷、慢性(治癒しない)創傷、やけどなどは、皮膚の完全性を取り戻すために医療的介入が必要です。移植(グラフト)を行うことで創面を覆い、治癒を促進します。
皮膚移植(Skin Grafts)
健康な部位から皮膚を採取し、創面に移植します。主に「分割厚皮膚移植」と「全層皮膚移植」の2種類があり、創傷の部位・大きさ・状態、最終的な外観を考慮して選択されます。採取部位は自然に再上皮化するか、縫合により閉鎖されます。
分割厚皮膚移植(Split Thickness Skin Grafts)
真皮がほとんど含まれない薄い移植片で、創傷環境がやや劣悪でも比較的適応しやすく、臨床的に広く利用されています。ただし、収縮(収縮性瘢痕)を伴うことがあります。
全層皮膚移植(Full Thickness Skin Grafts)
真皮を多く含む厚い移植片で、統合後は外観が自然に近く、収縮が少ないため顔面や関節部などで有用です。しかし、血管新生が必要で失敗リスクが高くなります。
Dermagraft®
Dermagraft®は、ヒト新生児線維芽細胞を吸収性スキャフォールドに播種した生体代替皮膚です。線維芽細胞は真皮コラーゲンや創傷治癒に不可欠な可溶性因子を分泌します。現在は主に糖尿病性の全層潰瘍の治療に使用されており、やけどへの応用も研究段階です。効果を得るために複数回の適用が必要となることが多く、費用面での課題があります。
