語源

「ointment(軟膏)」という語は中英語の oynement から変化したもので、さらに古フランス語の uignement(または oignement)に由来します。ラテン語の unguere(塗る)や unguentum(塗布剤)に根ざしており、Merriam‑Webster は軟膏を「皮膚に塗布する薬膏や軟膏」と定義しています。

歴史

軟膏の起源は正確な年代は不明ですが、古代から使用されていたことが文献で確認されています。1世紀ADにプルニウスが著した『自然史』では軟膏に関する記述が見られ、また紀元前800年頃と推定される『イーリアス』でもバラの香油(軟膏の一種)が言及されています。

特性

現代の軟膏は半固体の薬剤で、皮膚に擦り込むことで有効成分を浸透させます。基剤は主に以下の4種類に分類されます。

  • 吸収性基剤(エモリエント)―例:Kovia、Panafil
  • 炭化水素系基剤(バリア形成)―例:石油ゼリー
  • 水溶性基剤(無油型)―例:Kerasal、Furacin
  • 水除去型基剤(洗い流し可能)―例:Dermovan

使用例

軟膏は切創や擦り傷に対する抗菌・抗真菌薬として、また湿疹・アトピー・乾癬などの皮膚炎の治療に用いられます。関節炎や筋肉の痛み、打撲・捻挫に対して鎮痛成分を配合した軟膏もあります。薬剤師が調合する「調剤軟膏」は医師の処方が必要です。

注意点

米国食品医薬品局(FDA)は、市販の軟膏は薬剤であるため、過剰使用や誤用を警告しています。皮膚から血流に薬が吸収されると副作用を引き起こす恐れがあるため、添付文書の指示を必ず守り、使用後は説明書や注意書きを保管してください。調剤軟膏は医師の処方がなければ市販できません。