てんかんとは何か?
てんかんとは
てんかんは、再発する発作(痙攣)を特徴とする神経疾患です。発作は脳の異常な電気活動が短時間に起こることで、意識・運動・感覚・感情などさまざまな症状が現れます。
世界中で約5,000万人がてんかんを抱えており、年齢、人種、社会的背景を問わず誰でも発症する可能性があります。
原因とリスク要因
てんかんの正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因が組み合わさって発症すると考えられています。主なリスク要因は以下の通りです。
- 家族歴(てんかんの既往)
- 特定の遺伝子疾患
- 頭部外傷
- 脳卒中
- 脳感染症(髄膜炎・脳炎など)
- 脳腫瘍
- 代謝異常(例:低血糖、電解質異常)
主な症状(発作の種類)
発作はその形態により大きく3つに分類されます。
- 全般性発作:脳全体が関与し、強直間代発作(大発作)や欠神発作(小発作)、ミオクローヌス発作などがあります。
- 局所性発作:脳の一部だけが関与し、単純部分発作、複雑部分発作、続発性全般性発作などがあります。
- 未分類発作:既存の分類に当てはまらない稀な発作です。
発作の具体的な症状は多岐にわたり、以下が代表的です。
- 意識喪失
- 痙攣・けいれん
- 四肢や体の揺れ
- 失神様の凝視(スターベーション)
- 混乱・錯乱
- 記憶障害
- しびれやチクチク感
- 視覚異常(光の閃光、視野欠損)
- 聴覚幻覚
- 頭痛
- 倦怠感
診断方法
診断は患者の病歴聴取と身体検査を基礎に行われ、必要に応じて以下の検査が実施されます。
- 脳波検査(EEG):脳の電気活動を記録
- 磁気共鳴画像(MRI):脳の詳細な画像撮影
- CTスキャン:断層画像による構造評価
- 血液検査:代謝異常や感染症の有無を確認
- 神経心理検査:認知機能や記憶の評価
治療法
治療は症状や発作の頻度、患者の生活状況に合わせて選択されます。
- 薬物療法:抗てんかん薬で発作を予防
- 外科手術:発作の焦点となる脳部位の切除
- 迷走神経刺激(VNS):電気パルスで発作抑制
- ケトン食療法:高脂肪・低炭水化物食でケトーシスを誘導し発作を減少
- 補完代替療法:鍼灸、ヨガ、瞑想などストレス軽減を目的とした方法
最適な治療は患者ごとに異なるため、医師と十分に相談しながら決定します。
予後
予後はてんかんのタイプや発作の重症度によって大きく変わります。適切な治療を受ければ、発作が完全にコントロールでき、日常生活を問題なく送ることが可能です。一方、治療が不十分な場合は生涯にわたって発作が続くこともあります。
てんかんは深刻な疾患ですが、正しい診断と治療により十分に管理できます。発作の疑いがある場合は、早めに医療機関を受診してください。
