トリヨードサイロニン(T3)とは何か?
T3の概要
トリヨードサイロニン(T3)は、甲状腺から分泌される主要なホルモンの一つで、チロキシン(T4)に次いで活性が高い形態です。体内の代謝促進や成長・発達に関わるさまざまな生理作用を担います。
T3の生成と代謝
T3は、甲状腺で合成されたT4からヨウ素原子が一つ除去されることで、ヨードチロニン脱ヨード酵素(デヨードナーゼ)によって作られます。また、逆T3(rT3)の脱ヨード化からもT3が生成されます。
血中での存在形態
血液中のT3は、主に甲状腺結合グロブリン(TBG)やトランスサイレチン(TTR)に結合した形で運搬されます。遊離状態(フリーT3)はごく少量ですが、生物学的に最も活性のある形態です。
細胞内での作用
フリーT3は細胞核内の受容体に結合し、遺伝子発現を調節します。その結果、タンパク質合成の促進、基礎代謝率の上昇、成長・発達の促進などが起こります。
分泌調節機構
T3の分泌は、視床下部・下垂体・甲状腺の負のフィードバックループで制御されます。T3濃度が低下すると、視床下部から甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)が分泌され、下垂体が甲状腺刺激ホルモン(TSH)を放出します。TSHは甲状腺にT3・T4の産生を促します。逆にT3が高いと、TRHとTSHの分泌が抑制され、甲状腺からのホルモン放出が減少します。
T3レベルに影響する要因
食事、ストレス、疾患、薬剤などがT3濃度に影響を与えます。T3が過剰になると甲状腺機能亢進症(バセドウ病)を、低下すると甲状腺機能低下症(橋本病)を引き起こす可能性があります。
