スズメバチの毒素
痛みがポイント
スズメバチの刺しは防御行動です。人間は痛みを避けようとします。刺しが痛いのは、スズメバチが捕食者を遠ざけ、獲物を無力化するための仕組みであり、被害者に「すぐに離れる」ことを知らせるためです。そのため、スズメバチの毒は複数の作用を同時に引き起こすように調整されています。
影響を受ける細胞
スズメバチやミツバチの毒に含まれる成分は、刺された際に体内でさまざまな反応を引き起こします。ミツバチ毒の主要成分であるペプチド「メラチン」は赤血球に結合し、即座に痛みを生じさせます。神経伝達物質のノレピネフリンは血流を遅くし、毒が刺された部位に長く留まることで痛みが持続します。体は毒を薄めようと液体をその部位へ送り込み、結果として腫れが生じます。
フェロモンの役割
スズメバチは1回の刺しで注入する毒の量がミツバチ(約50µg)に比べて少なく(2〜15µg)です。しかし、スズメバチにはいくつかの有利な特徴があります。まず、針が皮膚に残らないため、同じ個体が何度も刺すことができます(ミツバチは刺すと死んでしまう)。さらに、スズメバチの毒には周囲の仲間を呼び寄せるフェロモンが含まれており、被害者は次々に他のスズメバチに襲われる危険があります。
アレルギー反応
多くの人にとってスズメバチの刺しは短時間の痛みで終わりますが、稀に重篤なアレルギー反応が起こります。蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下などが現れ、以前に同じ毒に曝露され抗体が形成された人に起きやすいです。過去に刺されても問題がなかった人でも、初めて重篤なアレルギー反応が起こることがあります。
毒性反応
アレルギー反応とは異なり、毒性反応は複数回の刺しによる毒の過剰摂取が原因です。大量の毒が体内に入ると、全身的な中毒症状が現れ、次回以降の刺しでアレルギー反応を起こすリスクも高まります。
