実際の因果関係(事実上の因果関係)とは?

実際の因果関係(事実上の因果関係)とは

実際の因果関係(英語では "cause in fact" または "but‑for causation")は、原告の損害と被告の行為との間に直接的かつ実際的な結びつきがあるかどうかを判断する法理です。これは不法行為法において責任を認定するための基本的要件であり、被告の行為が原告の損害を引き起こす重要な要因であったかを検証します。

「but‑for」テストの適用

裁判所は通常、「but‑for」テストを用いて実際の因果関係を評価します。つまり、被告の行為がなければ原告の損害は生じなかったかどうかを問います。被告の行為を除外した場合に損害が起きなければ、その行為は実際の因果関係と認められます。

具体例

たとえば、ドライバーが赤信号を無視して交差点に進入し、他車と衝突して乗客が負傷したケースを考えてみましょう。この場合、赤信号無視というドライバーの行為が乗客の負傷の実際の因果関係となります。なぜなら、ドライバーが信号を守っていれば衝突は起きず、負傷も発生しなかったからです。

実際の因果関係の位置付け

実際の因果関係は、被告の行為と損害との事実上のつながりだけに焦点を当て、介在する要因や被告の意図は考慮しません。したがって、実際の因果関係の成立は被告の法的責任を問うための必要条件ですが、単独では不十分です。責任を認めるには、注意義務の存在やその義務違反といった他の要件も併せて証明する必要があります。

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