黒死病とチフスは同じ病気ですか?

黒死病(ペスト)とは

黒死病は、細菌 Yersinia pestis(イェルシニア・ペスティス) によって引き起こされる感染症です。ノミが媒介するため、歴史上何度も大規模な流行を起こしました。特に14世紀の「黒死病」では、全世界で最大2億人が死亡したと推定されています。

黒死病の主な形態

- 腺ペスト(Bubonic plague):最も一般的で、発熱・寒気に加えて鼠径部、腋窩部、頸部に腫れたリンパ節(腺)ができる。

- 敗血症ペスト(Septicemic plague):細菌が血流に入り増殖し、激しい発熱・寒気・倦怠感、皮膚に紫黒い斑点が現れる。

- 肺ペスト(Pneumonic plague):肺に感染し、発熱・咳・息切れ・胸痛を伴う。致死率が最も高く、空気感染する点が特徴です。

チフスとは

チフスは、Rickettsia(リケッチア)属の細菌が原因となる感染症の総称です。ノミやシラミが媒介し、種類によって症状や伝播経路が異なります。

主なチフスの種類

- 流行性チフス(Epidemic typhus):ヒトシラミが媒介し、急激な発熱・寒気・頭痛に加えて、発症4~5日後に全身に斑状の発疹が出る。

- 地方性チフス(Murine typhus):ノミ(特にラットノミ)が媒介し、インフルエンザ様の発熱・頭痛・筋肉痛に加えて、体幹部や四肢に発疹が現れる。

- スクラブチフス(Scrub typhus):トロムビクルミツバチが媒介し、発熱・頭痛に加えて、噛まれた部位に黒いかさぶた(エスカル)状の皮膚病変ができる。

以上のように、黒死病とチフスは原因菌、感染経路、症状ともに異なる別個の疾患です。

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