両側予防的乳房切除術ガイドライン
治療適応の判断
外科腫瘍学会は、両側予防的乳房切除術の適応を決める重要な要因を示しています。BRCA1・BRCA2遺伝子変異が検出された場合、70歳までの乳がん罹患率は40〜85%に上りますので、手術の対象となります。また、母親・祖母・姉妹・娘・叔母など、近親者2人以上が50歳未満または閉経前に乳がんを発症した場合も適応とされます。さらに、乳管・小葉過形成などの組織異常が認められる場合も対象です。稀に、上記基準がなくても腫瘍専門医が手術を検討することがあります。
医師との相談
予防的乳房切除術を受ける前に、腫瘍内科医、病理医、遺伝カウンセラー、外科医など複数の専門医と十分に話し合うことが重要です。手術の詳細や、定期検診、タモキシフェンやラロキシフェンといった薬物予防、再建術のリスク・ベネフィットについて情報を得られます。
乳房切除術の種類
主に2つの手術法があります。全乳房切除術では乳房全体と乳頭を除去します。一方、皮下乳房切除術は乳腺組織だけを除去し、乳頭は残します。がん予防効果は全乳房切除術の方が高く、通常はこちらが推奨されます。
乳房再建
再建は手術と同時に行うことも、後日に行うことも可能です。術前に再建計画を立て、乳房の形状や皮膚の状態を評価します。選択肢としては、生理食塩水またはシリコンインプラント、あるいは自家組織(皮下組織・筋肉・脂肪)を用いたフラップ再建があります。
予後
予防的乳房切除術により乳がん発症リスクは約90%低減します。ただし、胸壁、腋窩、腹部の残存組織からがんが発生する可能性は残ります。再発リスクについては担当医と十分に相談してください。
