子宮頸がんの放射線治療ガイド
早期診断と予防
子宮頸がんは進行が遅いため、年1回の骨盤検査で早期に発見しやすいです。子宮の下部にある約1インチ(約2.5cm)の管(子宮頸部)の健康な細胞が変異し、異常増殖を始めるとがんになります。早期に治療すればほぼ100%治癒可能ですが、毎年診断される女性の約3分の1が死亡しています。死亡例の多くは、予防的検診を受けておらず、がんが進行した状態で発見されたためです。
子宮頸がんのステージ
細胞レベルでの変化が最初のサインとなります。細胞変異が必ずしもがんではありませんが、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)や子宮頸部異形成として検出されることがあります。
非浸潤性がんは子宮頸部の表層のみがん細胞にとどまりますが、放置するとがんは深部へ浸潤し、治療が困難になります。浸潤性子宮頸がん(ICC)であっても、頸部や他臓器へ深く浸潤・転移していなければ、ほぼ100%治癒可能です。逆に、深く浸潤し生殖器官外へ転移した場合は致死率が95%に達します。
子宮頸がんに対する放射線治療
がん細胞が頸部の粘膜層を越えて広がる前に切除することが最も効果的です。そのために放射線治療が広く用いられます。進行がんの場合は、化学療法と併用することが一般的です。放射線腫瘍医は外部照射、内部照射、あるいは両方を組み合わせて治療します。
外部放射線治療(EBRT)
外部放射線治療は、リニアアクセラレータなどの装置で体にX線ビームを照射する方法で、外部ビーム放射線療法(EBRT)と呼ばれます。通常は平日(月〜金)に通院し、4〜6週間にわたって行われます。
治療開始前に詳細な計画を立て、複数の方向からがん部位に正確に照射できるようにします。場合によっては、外部照射の後に内部照射(ブロック)を追加し、頸部内部へ直接放射線を届けます。
内部放射線治療(近接照射)
近接照射(ブロック療法)は、放射性物質を小さなカプセルに入れ、直接子宮頸部に挿入する方法です。これによりがん組織に高線量を集中させ、周囲の臓器への被曝を最小限に抑えます。カプセルは膣から挿入し、1〜3日間体内に留めます。入院期間中に管理され、通常は治療コースで2回程度実施されます。
近年は高線量率(HDR)ブロック療法が普及しており、30分〜1時間の照射を最大5回行うことで、より集中的に治療できます。
副作用
放射線そのものは痛みを伴いませんが、治療後に疲労感、エネルギー低下、頻尿や排尿時の不快感、下痢や軟便といった副作用が頻繁に現れます。皮膚の刺激や陰毛の脱毛も見られます。特に若年女性では、卵巣機能が低下し早期閉経を招くことが深刻な問題です。
膣の粘膜が硬くなることもあり、性交や骨盤検査が痛みを伴うことがあります。そのため、治療中は膣拡張器を使用して柔軟性を保つよう指導されます。
