涙漏れ(dacryrrhea)とは?
涙漏れ(dacryrrhea)とは
涙漏れ(英語: dacryrrhea、別名: エピフォラ)は、目から涙が過剰に流れ出す状態を指します。医学的には「頬に涙が流れ落ちる」こととして定義され、あくびなどで起こる生理的な涙と区別されます。涙は涙腺で産生され、通常は鼻涙管を通じて鼻腔へ排出されますが、産生過多または排出路の閉塞が起きると涙が溢れ出します。刺激や角膜損傷、感情的な反応で涙が分泌されますが、健康な成人は1分間に0.75〜1.1マイクロリットル程度しか分泌しません。
主な原因
- 涙液排出路(鼻涙管)の閉塞
- 涙の過剰分泌
- 眼球とまぶたの位置関係の異常
- 涙が拡散する正常な経路の喪失
代表的な疾患例
鼻涙管閉塞は最も一般的な原因です。解剖学的変異、加齢、炎症、外傷や手術後の瘢痕、感染などが原因となります。新生児では管が完全に開通しないことが遅延の原因です。
アレルギー性・感染性結膜炎(花粉症や春季結膜炎、眼瞼結膜炎、細菌性結膜炎)も涙漏れを引き起こします。
外眼瞼外反(外眼瞼が外側に反る)は、特に下まぶたが外側に向くことで涙が頬に直接流れ落ちます。
顔面神経麻痺(例:ベル麻痺)でも涙の排出が阻害されます。
眼瞼炎はまぶたの皮膚が赤く腫れ、かさぶたやかゆみを伴い、まぶたが眼球にしっかり密着できず、過剰な涙が生じます。
涙嚢炎(カナルシチティス)は、涙管の炎症であり、涙漏れ、疼痛、腫脹がみられます。
シェーグレン症候群などの自己免疫疾患は、涙腺の機能低下でドライアイになる一方、涙の質や分泌バランスの乱れにより涙漏れが起こることがあります。
腫瘍(結膜、涙道、鼻咽腔の腫瘍)も排出路を塞ぎます。
涙液排出路閉塞の原因分類
- 先天性異常(発育不全)
- 感染症(カナルシチティス、涙嚢炎など)
- 自己免疫疾患(サルコイドーシス、血管炎、シェーグレン症候群)
- 外傷
- 医原性(屈折手術や内視鏡手術後など)
- 腫瘍性病変
臨床的意義
涙漏れは、自己免疫疾患や癌などの全身性疾患のサインであることがあります。また、先天性緑内障や他の眼疾患、顔面神経や涙腺の外傷後にも見られます。
