膵臓がんの診断と治療
症状
膵臓がんは初期には症状がほとんどありませんが、進行すると以下のような症状が現れます。
- 背中の上部や上腹部の痛み
- 吐き気・嘔吐
- 黄疸(皮膚や眼の白い部分が黄色くなる)
- 倦怠感や体重減少
これらは他の疾患でも見られるため、症状がある場合は必ず医師の診察を受けましょう。
診断
膵臓がんの確定診断には複数の検査が行われます。
- 身体診察:腹部の腫れや皮膚変化、黄疸の有無を確認
- 血液検査:腫瘍マーカーCA19-9の測定(診断時に高値が見られることが多い)
- 画像検査:CT、MRI、超音波検査で腫瘍の位置と大きさを評価
- 生検:組織を採取し顕微鏡でがん細胞の有無を確認
診断が確定したら、がんの広がり(ステージ)を評価します。ステージは治療方針の決定に重要です。
治療
膵臓がんは以下の3つのカテゴリーに分けられます。
- 手術で切除可能な早期がん
- 局所的だが切除できないがん
- 転移が認められる進行がん
手術が適応できる場合、主に次のような手術法が行われます。
- ウィップル手術(膵頭十二指腸切除術):膵頭部、十二指腸の一部、胆管、胃の一部を切除
- 遠位膵切除術:膵体・尾部と脾臓を切除
- 全膵切除術:膵臓全体、胆管、胆嚢、脾臓、リンパ節などを広範囲に切除
手術単独でなく、放射線療法や化学療法を組み合わせて行うことが一般的です。
転移性疾患
がんが他の臓器へ転移した場合、平均生存期間は約5〜8か月です。化学療法が主に用いられますが、長期的な生存延長は期待しにくく、約25%の患者で短期間の症状改善が見られる程度です。
将来の方向性
現在の治療法は限られているため、多くの腫瘍専門医は臨床試験への参加を推奨しています。研究が進められている新しい治療法には、分子標的薬や免疫療法(生物学的製剤)などがあります。
