アルファ線
アルファ線は放射性崩壊時に放出される正電荷を持つ粒子で、エネルギーが高く細胞に与えるダメージは大きいが、空気中や皮膚で数センチメートルで止まります。外部被曝では皮膚を通過できないため危険性は低いですが、体内に取り込まれると細胞障害が顕著になります。
医療分野ではがんの放射線治療に利用され、ウラン・ラジウム・ポロニウムなど自然放射性物質が主な供給源です。
ベータ線
ベータ線は放射性崩壊で原子核から放出される電子で、エネルギーはアルファ線より低く、空気中や薄い金属(アルミニウム)で数ミリメートルで遮蔽できます。そのため外部被曝は比較的安全です。
DNA損傷
これらの粒子に曝露されると、細胞死や一時的・永続的な異常が起こります。DNAが放射線で損傷すると、がん化や遺伝子変異が生じ、場合によっては子孫に受け継がれることがあります。大量被曝は数時間から数日で重篤な症状や死亡を招くことがあります。
細胞修復
DNA修復には酸素とグルコースなどの栄養が必要です。組織によって再生能力は異なり、臓器組織は比較的修復しやすい一方、神経系などは再生がほとんどできません。
放射線の発生源
放射線は自然由来と人工由来に分かれます。自然放射線は地殻中の放射性物質から常に浴びており、健康リスクは低いです。人工放射線は医療(X線、CT)や産業、がん治療などで利用されます。
アルファ線・ベータ線の利点
がん治療において、アルファ線は短距離で高エネルギーのため、局所的な腫瘍に適しています。一方、ベータ線は比較的遠くまで届き、広範囲に散在するがんに対して正常組織へのダメージを抑えつつ効果的に照射できます。
