腹部大動脈瘤の診断と治療手順

症状とリスク度合い

腹部大動脈瘤の主な症状は、腹部や背中の痛み、腹部で感じられる脈打つような鼓動(第二の心拍)です。これらの症状が出たら速やかに医療機関を受診してください。痛みが突然激しくなる場合は、瘤が破裂に近づいているサインです。破裂が起きると、急激なめまいや脱力、意識喪失を伴うことがあります。このような状態は生命に関わる緊急事態ですので、すぐに救急車(911)を呼びましょう。

診断と治療の選択肢

症状が軽度で直ちに命に関わらない場合、医師は以下の検査で瘤の有無を確認します。

  • CT(コンピュータ断層撮影)
  • 腹部超音波検査
  • MRI(磁気共鳴画像)

瘤が確認されたら、サイズと症状に応じて治療方針が決まります。直径が約5cm(約2インチ)未満で症状が軽い場合、手術リスクが瘤の危険性を上回ることがあります。この場合は定期的に経過観察し、6か月で0.5cm以上の増大が認められたら手術を検討します。直径が約5.5cm(約2.2インチ)以上、または症状が強い場合は手術が推奨されます。

手術がすぐに必要でない場合でも、高血圧は瘤の進行を促すため、降圧薬で管理します。また、喫煙は瘤の破裂リスクを大幅に高めるため、禁煙が必須です。禁煙支援を受けることを強く勧めます。

手術方法

主な手術は以下の2種類です。

開腹手術(オープン修復)

腹部に大きな切開を行い、瘤を直接露出させ、損傷した大動脈部位を人工血管(例:Dacron)で置換します。回復期間は約6か月と長めです。

血管内ステントグラフト(EVAR)

鼠径部に小さな切開を数か所作り、カテーテルを通してステントグラフトを瘤内に配置します。侵襲が少なく回復が早い一方で、長期的な合併症リスクがあるため、症例によっては開腹手術が適切です。

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