膝裏の動脈瘤(膝窩動脈瘤)の症状と治療法
膝の裏側に位置する膝窩動脈(ポップリートアル動脈)は、血液を心臓から下肢へ運ぶ重要な血管です。動脈壁が異常に拡張して形成される動脈瘤は、血栓ができやすく、破裂すれば内部出血を引き起こす危険があります。膝裏部の動脈瘤は症状が出にくく、無症状のまま見過ごされがちです。
背景
膝裏部の動脈瘤は、末梢動脈瘤とも呼ばれ、血栓が形成されやすい特徴があります。血栓が動脈瘤から離脱すると、血流が遮断されることがあります。また、動脈瘤が大きくなると、近くの静脈や神経を圧迫することがあります。
しこり(腫れ)
動脈瘤の最も分かりやすい兆候は、脈動を伴うしこりや腫れです。触れると脈が感じられ、圧迫や日常動作で痛みを伴うことがあります。膝裏に腫れやしこりを感じたら、速やかに医師の診察を受けましょう。
壊疽(がいそ)
動脈瘤から血栓が生じ、血流が阻害されると組織への酸素供給が途絶え、壊疽が進行する恐れがあります。壊疽は組織が死滅し腐敗する状態で、早期の治療が不可欠です。
しびれ・感覚異常
大きな動脈瘤は周囲の神経を圧迫し、脚や膝に痛み、脱力、しびれを引き起こすことがあります。しびれは軽いチクチク感から、四肢が動かせなくなるほどの重度まで幅があります。
診断と治療
膝窩動脈瘤が疑われる場合、まず超音波検査で動脈瘤の有無・サイズ・位置を確認します。治療の第一選択は外科手術で、バイパス術や人工血管移植により血流を迂回させます。これにより動脈瘤をバイパスし、血液の流れを確保します。
ベーカー嚢胞との鑑別
ベーカー嚢胞は膝裏に液体がたまり形成される嚢胞で、動脈瘤と誤診されることがあります。関節炎や変形性関節症が原因で生じ、嚢胞が静脈や神経を圧迫して脚や膝が腫れることがあります。超音波やMRIで正確に鑑別し、適切な治療を行うことが重要です。
