羊水塞栓症(AFE)とは?
羊水塞栓症(AFE)とは
羊水塞栓症(Amniotic Fluid Embolism, AFE)は、妊娠中に羊水や胎児組織が母体の血流に入り込み、急性のアレルギー様反応を引き起こす稀な重篤な合併症です。呼吸不全、循環不全、播種性血管内凝固(DIC)などを伴い、迅速な対応が求められます。
主な原因とメカニズム
正確な原因は不明ですが、以下の要因が組み合わさって発症すると考えられています。
- 羊膜の破裂や裂傷
- 羊水や胎児組織が母体循環に流入
- 免疫系の補体カスケードの活性化
- 炎症性メディエーターの放出による肺・心臓・他臓器への広範な障害
症状
発症は突然で、以下のような症状が急速に現れます。
- 激しい息切れ
- 胸痛
- ピンクがかった泡状の痰(血痰)
- 頻脈
- 低血圧
- 痙攣
- 意識消失(昏睡)
緊急時の治療
羊水塞栓症は医療緊急事態です。治療の目的は母体の生命徴候を維持し、二次的な合併症を防ぐことです。主な対処は次の通りです。
- 酸素投与
- 静脈内輸液による循環補強
- 必要に応じた輸血
- 止血・心機能改善薬の投与
- 胎児の緊急分娩(帝王切開など)
予後
早期に診断・治療が行われれば多くの女性は回復しますが、重症例では死亡率が約20%に達します。迅速な対応が生存率を大きく左右します。
予防策
完全に防げるわけではありませんが、リスクを低減するために次の点に留意してください。
- 激しい接触スポーツや過度な運動など、羊膜破裂のリスクがある活動は避ける
- 早産の兆候があれば速やかに医療機関を受診
- 産科医の指示に従い、定期的な妊婦健診を受ける
