腹部大動脈瘤はどのように治療されますか?
腹部大動脈瘤(AAA)の治療法として、血管内動脈瘤修復(EVAR)は近年主流となっています。以下に主な手順をわかりやすく解説します。
手術前の評価
手術前に患者の全身状態や手術適応を確認するため、CTや超音波などの画像検査を行い、動脈瘤の大きさ・位置・形態を評価します。
麻酔
通常、全身麻酔を行い、手術中の痛みや意識を遮断します。
大腿動脈へのアクセス
鼠径部に小さな切開を入れ、大腿動脈へカテーテルを挿入します。
デリバリシステムの挿入
細く柔軟な導入シースを大腿動脈から大動脈までX線透視下で進めます。
ステントグラフトの配置
ステントグラフトはコンパクトに折りたたまれ、デリバリシステムを通して動脈瘤部位まで運ばれます。弱くなった大動脈壁を覆うように慎重に位置合わせします。
ステントグラフトの展開
位置が確定したらグラフトを拡張し、固定します。これにより動脈瘤と血流が遮断され、破裂リスクが低減します。
手術完了・閉創
導入シースを抜き、切開部を縫合して止血します。ステントグラフトは体内に残り、弱くなった大動脈壁を補強します。
術後管理
回復室でのモニタリングのほか、疼痛管理や合併症予防のための薬剤が投与されます。術後は定期的にCTや超音波でグラフトの位置と動脈瘤の縮小を確認します。
EVAR(血管内動脈瘤修復)は開胸手術に比べ侵襲が少なく、痛みが軽減し、合併症リスクや回復期間が短くなる利点があります。ただし、手術の詳細は患者の状態や担当医の技術により異なります。
