重度の拒食症が体に与える影響とは?

米国国立摂食障害協会(NEDA)によると、拒食症(Anorexia Nervosa)は、自己飢餓と極端な体重減少を特徴とする、生命を脅かす可能性のある深刻な摂食障害です。過度な体重減少と自己イメージへの執着により、身体の健康が顧みられず、放置すると重篤な合併症を引き起こします。

不妊

女性が妊娠し、胎児を健康に育てるには、適切な排卵と子宮環境が必要です。拒食症で体脂肪率が極端に低下すると、エストロゲンの分泌が抑制され、月経が止まる無月経(amenorrhea)状態になります。このため排卵が起こらず、妊娠が困難になります。体脂肪が健康的な範囲に回復し、月経が再開すれば、妊娠可能性も回復します。

骨粗鬆症

骨密度が低下し、骨折しやすくなる骨粗鬆症は、拒食症患者に頻繁に見られます。栄養不足と低エストロゲンが骨形成を阻害し、骨の再吸収が進むためです。特に若年期に発症すると、将来的な骨折リスクが大幅に上昇します。

極度の疲労

摂取カロリーが極端に少ないため、エネルギー不足と鉄欠乏性貧血が起こりやすく、慢性的な倦怠感や集中力低下が見られます。日常生活でも階段の上り下りや買い物の荷物持ちなど、軽い動作で息切れすることがあります。

腎不全

栄養失調や下剤の過剰使用は脱水を招き、腎臓への負担が増大します。脱水が進行すると腎臓が老廃物を適切に濾過できなくなり、腎不全に至ることがあります。場合によっては回復が困難な慢性腎不全になることもあります。

心臓障害

心筋はエネルギーと栄養に依存しているため、拒食症の進行に伴い心拍数の低下や血圧低下が起こります。心筋が萎縮し、心不全や致死的な不整脈のリスクが高まります。心臓関連の合併症は、拒食症による死亡原因の一つです。

以上のように、重度の拒食症は身体の複数の臓器に深刻な影響を及ぼします。早期の診断と適切な治療が、合併症の予防と回復に不可欠です。

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