体は拒食症からどのように自らを守るのか?
拒食症(Anorexia nervosa)は、体重増加への強い恐怖感や極端に痩せたいという欲求、そして自分の体に対する認識の歪みを特徴とする摂食障害です。体は本来、恒常性を保ち飢餓から身を守る仕組みを持っていますが、拒食症患者ではこれらの仕組みが乱れます。以下に、体が拒食症の影響から自らを守ろうとする主な反応を紹介します。
1. 基礎代謝の低下
エネルギーを節約するために代謝が抑制され、疲労感や倦怠感、体温低下が起こります。
2. ホルモンバランスの変化
エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、成長ホルモンなどの分泌が乱れ、月経不順や骨密度低下、成長障害が生じます。
3. 筋肉の分解(筋萎縮)
エネルギー確保のために筋肉組織が分解され、筋力低下や身体機能の低下を招きます。
4. 髪や爪、皮膚の状態悪化
非必須とみなされた機能にエネルギーが回らなくなり、抜け毛や爪のもろさ、皮膚の乾燥が見られます。
5. 心拍数・血圧の低下
重要な臓器へ血流を優先させるため、心拍数と血圧が低下し、めまいや失神、寒さを感じやすくなります。
6. 便秘
消化機能が低下し、便通が滞りやすくなります。
7. 電解質バランスの乱れ
特にカリウムやナトリウムが不足し、心機能障害や筋力低下、倦怠感を引き起こします。
8. 多臓器不全
重度の長期的な飢餓状態が続くと、体は基本的な機能を維持できず、多臓器不全に至ることがあります。
これらの「防御」機構は極端な飢餓に対する適応であり、健康的な体重管理法ではありません。拒食症は深刻な精神疾患であり、専門的な治療が必要です。摂食障害に悩んでいる場合は、速やかに医療機関へ相談しましょう。
