拒食症(AN)の概要と非典型的拒食症の診断基準
拒食症(Anorexia nervosa, AN)は、体重増加への強い恐怖感と極端な痩せへの執着から、食事を極端に制限する深刻な摂食障害です。患者は自分の体型を歪んで認識し、実際に危険なほど低体重でも「太っている」と感じることがあります。多くの患者は著しい体重減少と極端な痩せを示しますが、必ずしもそうとは限りません。体重が基準以下でなくても、診断基準を満たす場合は「非典型的拒食症」と呼ばれます。
非典型的拒食症の診断基準(DSM‑5)
以下の全てが当てはまることが必要です。
- 体重増加や肥満になることへの強い恐怖感(体重が低くても同様)。
- 自分の体に対する認知の乱れ(過剰に太っていると感じる、体型やサイズの歪んだ認識)。
- 食事摂取の制限により、身長・年齢・性別に対して著しく低い体重になる。
- 女性の場合、思春期に達していても月経停止(無月経)が見られない。
拒食症の体重基準
従来はBMI(体格指数)で評価し、BMIが18.5未満を「低体重」と定義していました。しかし、BMIが18.5以上でも他の診断基準をすべて満たし、体重減少が身体的・心理的に重大な影響を及ぼす場合は、拒食症と診断されることがあります。
非典型的拒食症と過食症(Bulimia nervosa)の違い
過食症は大量に食べた後、嘔吐や下剤、過度な運動で食べたものを排出する「排出行動」が特徴です。一方、非典型的拒食症は食事の制限が主で、排出行動はほとんど見られません。
治療アプローチ
非典型的拒食症の治療は、医療的管理、心理療法、栄養サポートを組み合わせた総合的なものです。主な目的は以下の通りです。
- 健康的な体重への回復。
- 根底にある心理的問題の解決。
- 再発防止のための長期的サポート。
適切な治療は早期に開始するほど回復の可能性が高まります。
