小児における結核性髄膜炎
症状
結核性髄膜炎は、発熱、倦怠感、食欲不振、意識障害(ブラックアウト)、吐き気・嘔吐、けいれん、光過敏(光恐怖)、激しい頭痛、首の痛みやこり(項部硬直)などの症状が徐々に現れます。症状は同時に出ることもあれば、時間差で出現することもあります。また、すべての症状が必ずしも出るわけではありません。
原因・リスク要因
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が血流を介して脳の髄膜に感染し、炎症を引き起こすことで発症します。小児では比較的まれな疾患ですが、以下の要因がリスクを高めます。
- HIV/エイズなどによる免疫不全
- 他の疾患による免疫低下
- 過度のアルコール摂取(成人に比べリスクは低いが参考情報として)
- 既に肺結核に罹患している場合
診断に用いる検査
髄膜炎が疑われた場合、まず腰椎穿刺(脊髄液採取)を行い、以下の検査で結核性髄膜炎かどうかを判断します。
- 脳脊髄液(CSF)の培養・菌株同定
- CSF中のタンパク質、グルコース、リンパ球数の測定
- ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による結核菌DNAの検出
- 皮膚結核菌検査(PPD、ツベルクリン反応)
- 必要に応じて脳または髄膜の生検
治療・予後・合併症
治療は、結核の標準的な多剤併用抗結核薬(イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールなど)を約12か月間投与します。ステロイド薬を併用することで炎症による神経障害を軽減することがあります。
治療が遅れると致命的になる可能性があり、治療後も定期的なフォローアップが必要です。合併症としては、脳損傷による行動異常、認知障害、細かい・粗大運動の麻痺、再発性けいれんなどが報告されています。
予防策
乳幼児期に行うBCGワクチン接種は、重篤な結核性髄膜炎の予防に有効です。また、結核感染の有無を確認するためのPPD検査や、感染が疑われる環境での定期的なスクリーニングも重要です。
