アルコール依存症治療に使用される主な薬剤は?

米国家族医学会によると、米国人の約3分の1が毎年アルコールを過剰に摂取し、依存症や中毒のリスクがあるとされています。こうした背景から、アルコール依存症の治療に有効な処方薬の研究が進められ、現在では米国食品医薬品局(FDA)により3つの薬剤が承認されています。

ジスルフィラム(商品名:アンタビウス)

ジスルフィラムは、アルコールを代謝する酵素であるアセトアルデヒド脱水素酵素を阻害します。酵素が働かないため、少量のアルコールでもアセトアルデヒドが体内に蓄積し、嘔吐や頭痛などの不快な症状が強く現れます。この不快感が飲酒を抑制し、禁酒を支援する仕組みです。

ナルトレキソン(商品名:トレクサン)

ナルトレキソンはオピオイド受容体拮抗薬で、アルコール摂取によって生じる快感や酔いの感覚を弱めます。その結果、飲酒への欲求が減少しますが、効果を最大化するにはカウンセリングや行動療法と併用することが推奨されます。1日あたり最大50 mgまで安全に使用でき、肝機能に問題がある患者には注意が必要です。

アカンプロ酸(商品名:カンプラル)

アカンプロ酸は、禁酒後の脳内バランスを整えることで離脱症状の緩和を狙います。長期的な飲酒により過剰に刺激されたNMDA受容体を抑制し、同時にGABA_A受容体の機能回復を促します。これにより、睡眠の質向上や不安・抑うつ感の軽減が期待できます。ただし、身体的な離脱症状や現在飲酒中の患者への効果はありません。

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