脳出血の種類と対処法
脳出血は、脳内の動脈が膨らんで破裂し、血液が脳組織に流れ込む状態です。出血が起こると脳細胞が死滅し、重篤な症状を引き起こすことがあります。適切な治療を受ければ、完全回復も可能です。
脳内出血(Intracerebral hemorrhage)
脳内出血は、脳の内部で血液が漏れることで起こります。原因は動脈瘤や頭部外傷、あるいは高血圧・血管障害などです。出血した血液は脳組織を刺激し、腫れや血腫(hematoma)を形成します。血腫や腫れが脳を圧迫すると、急速に組織が損傷します。早期に治療すれば予後は比較的良好です。
硬膜下出血(Subdural hemorrhage)
硬膜下出血は、脳とその外側の膜(硬膜)との間に血液がたまる状態です。多くは頭部外傷で脆い静脈が損傷した結果起こります。症状が出るまで数日から数週間かかることもあり、全頭部外傷の約15%で認められます。出血量や治療開始のタイミングにより予後は異なります。
くも膜下出血(Subarachnoid hemorrhage)
くも膜下出血は、脳とくも膜(arachnoid)の間に血液が漏れることで起こります。自然発症が多く、人口10,000人に1人程度が罹患します。30〜60歳の成人に多く見られ、全脳卒中の5〜10%を占めます。主な原因は動脈瘤の破裂で、頭部外傷がきっかけになることもあります。適切な治療が行われれば、予後は概ね良好です。
硬膜外出血(Epidural hemorrhage)
硬膜外出血は、硬膜と頭蓋骨の内側壁の間に血液がたまる状態です。若年者に多く、硬膜が頭蓋骨にしっかり付着していないことが要因です。頭部外傷、特に骨折が原因となります。出血が進行すると急激に脳圧が上昇し、致命的になるため、緊急手術が必要です。
主な症状
症状は出血の部位や量によって異なりますが、以下のようなものが挙げられます。
- 吐き気・嘔吐、倦怠感
- 突然の激しい頭痛
- けいれん、四肢の麻痺や脱力
- 視覚障害、感覚異常(しびれ・チクチク感)
- 言語障害、嚥下障害
- バランス感覚や細かな運動機能の低下
上記の症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
診断方法
症状をもとに神経学的検査を行い、脳への圧迫や機能低下を評価します。確定診断にはCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)による撮像が用いられ、必要に応じて血管造影も実施されます。
治療
脳出血は生命に関わる緊急疾患です。出血源の除去や血腫の減圧のために外科手術が行われることがあります。薬物療法としては、腫れを抑えるステロイド、疼痛緩和の鎮痛剤、けいれん予防の抗けいれん薬が投与されます。また、失われた血液や体液を補うために点滴による輸液・輸血が必要です。
多くの患者は適切な治療により回復しますが、永続的な脳障害が残るケースや、出血が重篤な場合は死亡に至ることもあります。早期の受診・治療が何より重要です。
