血液中の網状赤血球数は赤血球生成速度を示すか?
網状赤血球とは
網状赤血球は、骨髄から血中へ放出された未熟な赤血球で、RNAなどの残存物を含むため、顕微鏡スライド上で成熟赤血球と区別できる。
網状赤血球数から分かる赤血球生成率
血液中の網状赤血球の割合(%)を測定することで、新たに産生される赤血球の速度を推定できる。正常範囲は全赤血球の約1〜2%。
網状赤血球増加(網状赤血球症)
網状赤血球数が上昇する(網状赤血球症)と、エリスロポエーシスが活発であることを示す。主な原因は次の通り。
- エリスロポエチンの増加:腎臓が低酸素に応答してエリスロポエチンを分泌し、骨髄での赤血球産生が促進される。
- 貧血からの回復:貧血状態が改善されると、骨髄は赤血球を大量に放出し、網状赤血球数が上昇する。
- 出血や大量失血:失血後、骨髄は赤血球の補充を急ぎ、網状赤血球が増える。
- 特定の薬剤・治療:エリスロポエチン作製剤(ESA)や化学療法後の貧血治療などで、赤血球産生が人工的に刺激され網状赤血球が増加する。
網状赤血球減少(網状赤血球減少症)
逆に網状赤血球数が低下すると(網状赤血球減少症)、赤血球生成が低下または骨髄機能が抑制されている可能性がある。主な原因は以下。
- 骨髄疾患:再生不良性貧血、白血病、骨髄異形成症候群などで造血が阻害される。
- 栄養欠乏:鉄、ビタミンB12、葉酸などは赤血球合成に必須で、欠乏すると網状赤血球が減少する。
- 慢性疾患:慢性腎不全、自己免疫疾患、慢性感染などが骨髄抑制を引き起こす。
臨床的意義
網状赤血球数は、赤血球生成速度を評価する重要な指標であり、貧血の原因鑑別や治療効果のモニタリングに有用である。
