肝臓の障害と疾患
肝臓は人体で最大の内部臓器で、100種以上の生理機能を担っています。その複雑さゆえに、さまざまな疾患が起こりやすく、肝硬変、肝炎、肝臓がん、アルコール性障害、子供の肝疾患などが代表的です。症状としては消化不良や血糖異常、代謝障害、脂肪吸収過剰などが現れます。
肝硬変
肝硬変は25歳から59歳の死亡原因の第3位、全年代で第7位と非常に致命的です。米国肝臓財団によれば、毎年25,000人以上が亡くなっています。肝硬変は徐々に進行し、正常な肝組織が瘢痕組織に置き換わります。軽度では肝臓は修復できますが、進行すると瘢痕が増えて機能が著しく低下します。
黄疸
黄疸は皮膚や眼球の白目が黄色くなる状態で、胆汁色素(ビリルビン)が体内に過剰に蓄積することが原因です。赤血球が破壊されるとビリルビンが生成され、肝臓がそれを処理しますが、処理能力が追いつかないと血中ビリルビンが増え、皮膚が黄色くなります。黄疸は肝疾患の初期症状として最も頻繁に見られます。
ウイルス性肝炎
ウイルス性肝炎は感染性の肝臓炎で、米国では年間7万人以上が罹患しています。症状は急に現れ、数週間続くことが多く、続いて2〜12週間の休養が必要です。倦怠感、軽度の発熱、食欲不振、嘔吐、下痢、筋肉・関節痛、肝臓の圧痛や腫大などが典型的です。
肝炎の種類
主な肝炎には以下があります。
- A型肝炎(HAV):主に汚染された水や食物、糞便を介して感染。肝腫大は起こりますが、永久的な障害はまれです。症状はインフルエンザ様で、数週間で回復します。
- B型肝炎:血液や体液を介して感染し、急性症状はインフルエンザ様、無症状の場合もあります。
- C型肝炎:汚染された血液や性的接触で感染し、慢性化しやすいのが特徴です。
アルコール性肝疾患
過度の飲酒が原因で起こります。代表的な形態は「脂肪肝」で、肝臓が肥大し、右上腹部に痛みを伴います。アルコール性肝炎では発熱、白血球増加、黄疸、肝腫大が見られ、皮膚に蜘蛛様血管が現れることもあります。
ヘモクロマトーシス
ヘモクロマトーシスは鉄過剰症とも呼ばれ、食事から過剰な鉄分が吸収され、体内に蓄積される代謝性疾患です。余剰鉄は肝臓や膵臓に沈着し、肝不全、肝臓がん、糖尿病、心疾患などを引き起こします。遺伝性が多く、早期診断と除去治療が重要です。
ウィルソン病
ウィルソン病は銅の代謝異常により肝臓に過剰な銅が蓄積し、血流に放出されて腎臓や脳にダメージを与える遺伝性疾患です。肝機能障害や神経症状が主な症状として現れます。
