HIV治療の最新アプローチ
2009年時点で、世界で約3,950万人がHIVに感染しています。現在、完全な治癒法はありませんが、遺伝子治療や幹細胞移植などの研究が進展し、将来的な根治の可能性が高まっています。
抗レトロウイルス薬
現在、30種類以上の抗レトロウイルス薬が使用されており、組み合わせ治療が主流です。治癒には至らないものの、ウイルスの増殖を抑制する最も一般的な方法です。
HAART(高度抗レトロウイルス療法)
臨床試験でHAARTの有効性が検証されています。サルを用いたワクチン研究でも一定の成功が報告されていますが、完全な治癒や新たな治療法になるかはまだ不明です。
HIVの「弱点」研究
2008年夏、テキサス大学医学部の研究者はウイルスが宿主細胞に結合する際に必ず使う部位を特定しました。この部位を改変できれば、ウイルスは細胞に付着できず、免疫系が抗体を産生して感染を阻止すると期待されています。
サンクチュアリ細胞(ウイルス貯蔵細胞)
HIVは体内に「リザーバー」と呼ばれる細胞内に潜むため、抗レトロウイルス薬だけでは完全に除去できません。2009年夏、カナダの研究チームは抗レトロウイルス薬に続く「インテリジェント標的化学療法」により、これらのサンクチュアリ細胞を除去できる可能性を示しました。
幹細胞移植
CNNが2009年に報じたケースでは、2007年に抗ウイルス特性を持つドナーから幹細胞移植を受けた患者が、移植後2年間ウイルスの検出がされませんでした。幹細胞移植は根治への有望なアプローチとされています。
