HPVの種類

ヒトパピローマウイルスは100種以上が知られており、発見順に番号が付けられています(例:HPV‑6)。 低リスク型と高リスク型の2群に分けられ、低リスク型は約12種で子宮頸がんを引き起こしませんが、性器イボの原因となります。特にHPV‑6とHPV‑11は性器イボの90%を占めます。高リスク型は10種以上あり、子宮頸部の異常細胞増殖を引き起こし、放置するとがんへ進行します。HPV‑16とHPV‑18だけで子宮頸がんの約70%が説明されます。

診断と組織学的特徴

臨床病理学誌の報告によると、従来の組織学だけでは低リスク型(HPV‑6)と高リスク型(HPV‑16)を区別できません。一方、HPV‑3、4、6が原因のイボは核形態の違いによりある程度識別可能です。これらのウイルスが作るイボは、核が大きく形が不規則になることが特徴です。

症状

HPV感染の初期症状は性器イボです。イボはカリフラワー状に盛り上がった小さな隆起や平坦な斑点として現れ、外陰部や膣内、肛門周囲にできることがあります。感染後数週間から数年の潜伏期間を経て出現します。子宮頸がんは初期には自覚症状がなく、定期的なパップテスト(子宮頸部細胞診)で初めて発見されることが多いです。

組織学的所見

低リスク型が引き起こす良性変化は、イボや軽度の細胞異常で、核が拡大し「ハロー」様の明瞭な境界が見られます。高リスク型による前癌状態やがんは、中等度から高度の細胞異常を示し、癌前病変(CIN)や原位癌(carcinoma in situ)として観察されます。異常の度合いが高まるほど浸潤がんになるリスクが上昇します。

予防と対策

最も確実な予防は性行為の回避ですが、現実的ではありません。コンドームは一定の防御効果がありますが、完全に感染を防げるわけではありません。HPV‑16・18を対象としたワクチン(ガーダシル)は、9歳から接種可能で、理想的には11〜12歳で接種します。女性は26歳まで、男性は2020年以降に接種対象となっています。

注意点

HPVに根本的な治療法はありません。性器イボは治療で除去できますが再発することがあります。男性にも感染し、肛門癌や陰茎癌のリスクがありますが、男性向けの高リスク型検査は未だ確立されていません。性行為だけでなく、皮膚と粘膜の接触でも感染するため、若年層の無知が感染拡大の要因となっています。