HPVが引き起こす疾患とその対策
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、感染者との皮膚接触により性行為を通じて感染するウイルスです。最も一般的な性感染症のひとつであると同時に、深刻な健康被害をもたらす危険性もあります。多くの感染は無症状で数年にわたり潜伏し、繁殖器系に不可逆的な損傷を与えることがあります。
事実
- HPVには100種類以上の株が存在しますが、感染を引き起こすのは約30株です。米国性健康協会によると、性行為を行う人の4人に3人が一生のうちにHPVに感染するとされています。その多くは自然に消失します。
影響
- 感染性の30株は「低リスク」と「高リスク」に分類されます。低リスク株(約10株)は異常な子宮頸部細胞(パップスメア異常)や性器いぼを引き起こします。性器いぼは凍結手術(クライオサージャリー)や焼灼(エレクトロカウタリー)で除去でき、薬物治療もありますが、ウイルス自体は体内に残り再発や感染のリスクがあります。高リスク株は女性の子宮頸がん、男性の肛門がんや陰茎がんの原因となります。
重要性
- 米国疾病予防管理センター(CDC)によると、毎年約12,000人の女性が子宮頸がんと診断され、そのうち約4,000人が死亡しています。男性においては、HPVが陰茎がんや肛門がんの約20%を占めています。
警告
- HPV自体が直接不妊症を引き起こすわけではありませんが、がんなどの合併症が不妊につながる可能性があります。
予防・対策
- 女性は年1回のパップテストでHPV感染の有無や子宮頸部細胞の変化をチェックできます。早期発見すれば治療が可能です。また、ワクチン「ガーダシル」はHPVによるがん原因株の70%、性器いぼ原因株の90%を予防するとされています。3回接種が必要で、26歳未満の女性に推奨されています。現在、男性向けのHPV検査やワクチンはありませんが、コンドーム使用や安全な性行為により感染リスクを約70%減少させられます。HPVの根本的な治療法はまだありません。
