HPV感染と治療・予防
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、最も一般的な性感染症です。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、生涯にわたり性行為を行う男女の少なくとも50%が何らかのHPVに感染するとされています。HPVは約100種類あり、女性では子宮頸がんやいぼ(いわゆる性器いぼ)の原因となります。早期発見が治療の鍵となりますが、ウイルス自体を根本的に治す方法はありません。症状の緩和や合併症の予防が主な対策です。
症状
- 性器いぼ(肛門、陰茎、外陰部、膣に発生)
- 前癌性病変(子宮頸部の異常細胞)
- 子宮頸がん
- 腫瘍や口腔・上気道の病変
原因
- 皮膚と皮膚の直接接触による感染
- 切り傷や擦過傷からウイルスが体内に侵入
- 性行為(膣性交・肛門性交)や性器部位の密接な接触が主な感染経路
子宮頸がんの治療
子宮頸がんは早期に発見すれば治療成績が高くなるため、定期的なパップテストが重要です。異常細胞が見つかった場合、以下のような局所治療が行われます。
- レーザー治療・凍結療法(組織を焼灼または凍結)
- LEEP(ループ電気外科的切除術)で熱線ループを用いて病変組織を除去
- 円錐切除術(組織の一部を採取し顕微鏡検査)
がんが進行した場合は、放射線治療、化学療法、さらには子宮・卵巣の外科的切除が検討されます。
いぼ(性器いぼ)の治療
- 焼灼(電気焼灼)や凍結(クライオサージェリー)で除去
- 外科的切除が必要な場合もあり
- 自然に消失するケースもあります
予防
- ワクチン(ガーダシル)により、子宮頸がんや性器いぼの主な4型HPVから保護可能。対象は11歳から26歳までの女性・女児で、未感染者に有効です。
- 性行為を控える、または一夫一婦制を守ることで感染リスクを低減
- コンドームは一定の防護効果がありますが、完全な予防はできません
