HPVは遺伝するのか?
ヒトパピローマウイルス(HPV)は100種類以上のタイプがあり、そのうち約30種類が性行為を通じて感染する性感染症(STI)です。HPVはほとんど症状がなく、いわゆる性器イボができるか、医師の検査で初めて判明することが多いです。感染した多くの男女は深刻な症状や健康問題を起こさずに済みます。
症状と健康への影響
- 低リスク型は性器イボを引き起こし、高リスク型は子宮頸がんやその他の稀ながんの原因となります。生検結果でリスク分類が行われますが、感染者の約90%は免疫系が自然に2年以内にウイルスを排除します。
HPV感染の仕組み
- HPVは遺伝性ではなく、膣性交や肛門性交などの性器接触で伝播します。まれに妊婦が分娩時に新生児へ感染させ、喉に性器イボ(呼吸器乳頭腫症)を発症させることがありますが、帝王切開が予防になるという証拠はありません。
性器イボとがんの関係
- HPVに感染した正常な皮膚や粘膜は時間とともに異常化することがありますが、ほとんどは免疫により正常に戻ります。免疫がウイルスを排除できない高リスク型は数年にわたり体内に残り、異常細胞ががん細胞へと変化します。子宮頸部に高リスク型が持続すると、約10%の女性が長期感染となり、子宮頸がんリスクが上昇します。陰茎・外陰部・膣でもがんが発生することがありますが、頻度は子宮頸がんに比べて低いです。
HPVに関する統計
- 米国では毎年500万~600万人が新たに性器HPVに感染し、常時約2000万人が感染状態にあります。CDCは男女の約50%が一生のうちにHPVに感染すると報告しています。米国がん協会の推計では、2009年に子宮頸がんで約1万1千人が診断され、4千人以上が死亡しましたが、定期的な検診の普及により死亡率は年率約4%減少しています。
HPV予防策
- コンドームは感染リスクを低減しますが、カバーされない部位の感染は防げないため100%の予防はできません。女性にとって最も重要なのは子宮頸がんの予防です。HPVワクチンは多くの子宮頸がんタイプを予防し、11〜12歳の女子に接種が推奨され、13〜26歳の未接種者にも接種が可能です。定期的な子宮頸がん検診も不可欠です。現在、男性用のHPVワクチンは承認されておらず、陰茎や肛門がんの早期検出検査も実用化されていません。
