インフルエンザの流行と経済への影響
インフルエンザの大規模な流行は死亡者を出すだけでなく、経済にも深刻な影響を及ぼします。
世界経済への一般的な影響
-
企業部門でのインフルエンザ流行は欠勤を増やし、事業の中断や生産性の低下を招きます。また、映画館や小売店、ショッピングモールといった公共の場を避ける人が増えるため、消費支出が減少します。
さらに、流行は投資家の信頼感を揺るがせ、金融市場を不安定にします。世帯は支出を控え、貯蓄を増やす傾向が強まるため、デフレ圧力が高まり、資産や不動産の価値が下落する可能性があります。
南アジアの経済
-
国連食糧農業機関(FAO)によると、2003年のインフルエンザ流行での経済損失は数十億ドル規模と推定されています。流行は生産活動や雇用に大きな打撃を与え、特に労働者層の損失が深刻です。1997年の香港でのインフルエンザ流行でも、数億ドル規模の損失が報告されています。効果的に制御できない場合、家畜の大量死や国際貿易への重大な混乱を招く恐れがあります。東南アジア諸国の分析では、単一の流行がGDP成長率を最大1.5%低下させる可能性があるとされています。
米国の経済
-
米国では季節性インフルエンザの流行だけで、州保健局(アーカンソー州)の推計により年間約100億ドルの経済損失が生じています。パンデミックが発生すれば、直接的・間接的な費用は数百億ドル規模になると予想されます。
ワシントンD.C.保健局の報告では、インフルエンザパンデミックにより、病気に罹患する1800万~4500万人の医療費が追加で必要になるとされています。連邦準備制度の資料では、年間総経済損失は約7,000億ドルに達する可能性が示唆されています。
