コレラは細胞レベルで損傷をもたらすのか

コレラの原因菌であるビブリオ・コレラ菌が産生するコレラ毒素(CT)は、腸上皮細胞に直接作用し、細胞レベルで損傷を引き起こします。

コレラ毒素の作用機序

1. 腸上皮細胞への結合と取り込み

CTは腸上皮細胞表面のGM1ガングリオシドなどの特異的受容体に結合し、エンドサイトーシスで細胞内に取り込まれます。

2. アデニル酸シクラーゼの活性化

細胞内に入ったCTはGsタンパク質を活性化し、アデニル酸シクラーゼを刺激します。その結果、細胞内cAMP濃度が急上昇します。

3. 流体・電解質輸送の乱れ

cAMPの増加はCFTRチャネルを開放し、水と塩化物イオンを腸管腔へ大量に分泌させます。これが激しい水様性下痢の直接的原因です。

4. 栄養吸収の障害

上皮細胞が損傷すると、糖・アミノ酸などの吸収機能も低下し、脱水とともに栄養不良を招きます。

5. 炎症反応の誘発

細胞障害に伴いサイトカインやケモカインが放出され、局所的な炎症が起こります。これが腹痛や全身症状を増強します。

まとめ

コレラ毒素は腸上皮細胞に結合し、アデニル酸シクラーゼを活性化してcAMPを上昇させ、体液・電解質の輸送を乱すことで細胞レベルの損傷を引き起こします。その結果、激しい下痢、脱水、栄養吸収不全といった症状が現れます。

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