ポータブル酸素の種類と選び方
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺気腫などの呼吸器疾患を持つ患者は、酸素療法を受けることが多いです。酸素療法は血中の酸素供給量を増やし、息切れを軽減し、体力を向上させます。ポータブル酸素システムを使用すれば、在宅はもちろん、買い物や外食、旅行など日常生活でも自立した活動が可能です。
圧縮酸素システム
酸素はアルミニウム製シリンダーにガス状態で高圧で保存されます。シリンダーはサイズが様々あり、家庭用の大型シリンダーは固定設置に、携帯用の小型シリンダーは車椅子のブラケットやローリングカートで持ち運びます。大型シリンダーは重く、車への積み込みや歩行時の操作が難しいため、使用者の体力や生活様式に合わせて選ぶ必要があります。
圧縮酸素システムは電源を必要とせず、タンク内の圧力で一定流量の酸素を供給します。流量はタンクに装着されたフローメーターとレギュレータで調整します。酸素節約装置(コンザーバー)を併用すれば、吸気時にのみ酸素が放出され、呼気時に遮断されるため、酸素の無駄を減らせます。医師は、常時酸素が必要ない患者にこの方式を処方することが多いです。
液体酸素システム
液体酸素システムは大容量の固定式リザーバーと、携帯用カートリッジの2つのユニットで構成されます。リザーバー内の液体酸素は低温で保存され、使用時に気化してガスとなり、カートリッジに供給されます。携帯用カートリッジは5〜13ポンド(約2.3〜5.9kg)で、肩掛けストラップやローリングカートで持ち運びできます。
液体酸素は同じ容積でガスより多くの酸素を保存できるため、コンパクトに高濃度の酸素供給が可能です。ただし、時間とともに蒸発するため、定期的にサービス技術者がリザーバーの補充・点検を行います。
酸素濃縮装置
酸素濃縮装置は、周囲の空気から酸素を分離・濃縮し、余分な窒素などを除去して酸素を供給する電動機器です。電源さえあれば酸素を自家生成できるため、補充の手間が不要です。サイズは様々で、車輪付きのモデルが多く、移動が容易です。チューブが長いタイプは使用者の自由度が高まりますが、転倒の危険がある点に注意が必要です。
小型モデルは自宅外でも使用でき、外出時の自立をサポートします。しかし、電源が必須のため、停電時にはすぐに使用できる予備用シリンダーを備えておくことが推奨されます。
