原発性肺高血圧症(PPH)の治療法とは?

肺動脈は心臓から肺へ血液を運びます。原因不明で肺動脈の血圧が極端に上昇する状態を原発性肺高血圧症(PPH)と呼びます。米国では毎年約500〜1,000例が新たに診断される稀な疾患です。発症原因は未解明で、発症頻度が低いため研究が進んでいません。

概要

肺の微小血管(毛細血管)は内側に血液が漏れ出さないような内膜を持ち、外側の筋細胞が血流に合わせて拡張・収縮します。PPHでは内膜が剥がれ血液が筋層に漏れ、筋層が収縮することで血圧が上昇します。

症状

症状は徐々に現れるため、早期発見が難しいです。初期は疲労感や倦怠感がみられ、次第に呼吸困難やめまいが出ます。下肢のむくみや皮膚の青紫色変化も見られ、これらは心疾患など他の病気とも類似します。PPHは肺の疾患ですが、心臓にも大きく影響します。

診断と治療

まず専門医が在籍する医療機関で肺動脈圧を測定し、正確な診断を行います。治療は肺血管を拡張させることを目的とし、患者ごとに薬剤や治療法を組み合わせます。

カルシウム拮抗薬は細胞内へのカルシウム流入を抑制し、血管を弛緩させます。効果が不十分な場合は、静脈内投与のプロスタサイクリン(血管拡張剤)を携帯型ポンプで連続投与します。これは肺移植や心肺移植の前段階としても用いられる最終手段です。

抗凝固薬は血栓形成を防ぎ血流を改善し、利尿薬は体液量を減らして心臓への負担を軽減します。呼吸困難が強い場合は酸素療法が有効で、24時間酸素が必要な患者もいます。

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