胸膜圧の正常範囲とその意味

胸膜(Pleural Membrane)

胸膜は肺を覆う漿膜で、内側(臓側)層が各肺を包み、外側(壁側)層が胸壁に付着しています。この二層構造は肺と胸壁の間に薄い液体層を形成し、滑らかな動きを可能にします。

正常な胸腔内圧(Intrapleural Pressure)

呼吸の間に胸腔内の液体で満たされた空間(胸腔内圧)は、海面上の大気圧(約760 mmHg)より約4 mmHg低い、約756 mmHg(トール)です。これは、肺が自然に引っ張られることで常に負圧が保たれているためです。

正常範囲

吸気時には胸腔内圧が大気圧より約5.9 トール低下し、呼気時には約2.9 トール低下します。その結果、通常の範囲はおおむね754〜757 トール(約756 mmHg 前後)となります。

正常な状態のメカニズム

肺の弾性反発が臓側胸膜を内側へ引っ張り、胸壁が壁側胸膜を外側へ引っ張ることで、二層間の空間が僅かに広がります。この微小な膨張が負圧を生み出し、呼吸時に肺が膨らむのを助けます。

外傷による影響

銃創や刺創などで空気や血液が胸腔に侵入し、臓側層と壁側層が分離すると、正常な負圧が失われます。その結果、肺が虚脱(気胸)したり、呼吸機能が著しく低下する可能性があります。

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