下顎義歯の課題と対策
上顎義歯や全口義歯に慣れるのは大変ですが、特に下顎義歯は独特の問題があります。下顎義歯は「浮く」義歯であり、口底や頬、舌の筋肉が外れやすく、また下顎骨自体が動くため、安定させるのが難しいです。
高齢者と下顎義歯
加齢に伴い口腔内の筋肉が弱くなるため、下顎義歯がずれやすくなります。さらに、顎骨のリッジ(歯槽突起)が徐々に細くなるため、義歯の保持力が低下します(Dental‑Health、リチャード・ウィンター医師)。
噛むことの難しさ
天然歯は骨に固定されていますが、義歯は歯肉の上に乗ります。そのため、特に下顎義歯では噛み合わせが不安定になりやすく、ステーキなど硬い食べ物は常に挑戦となります。時間とともに噛む感覚は改善しますが、無理な力は避けましょう。
圧迫壊死(圧迫性骨壊死)
上顎義歯は吸引で固定できますが、下顎義歯は吸引シールがありません。そのまま下顎骨に圧力がかかり続けると、骨密度が低下し、圧迫壊死が起こります。結果として義歯のフィット感が悪くなることがあります。
骨の縮小(吸収)
下顎・上顎ともに、義歯が長期間装着されると下の骨が徐々に吸収し、義歯が緩む原因となります。
ミニインプラントによる対策
下顎義歯の安定性を高めるために、切開不要のミニインプラントが利用されています。インプラントは顎骨に小さく埋め込まれ、義歯側にゴム製Oリングを組み込んだホウジングを装着。義歯はインプラントに「カチッ」とはまることで、ずれにくくなります。
発音への影響
新しい義歯は舌の位置や口腔内の空間が変わるため、一時的に発音が変わります。舌が新しい歯に慣れるにつれて、徐々に話し方は元に戻ります。
日常のケアと定期チェック
義歯用接着剤の使用や毎日の清掃、定期的な歯科受診で骨の状態や義歯の適合を確認することが重要です。
