低形成左心症候群(HLHS)
概要
低形成左心症候群(HLHS)は、出生時に左心室が十分に発育せず、血液を十分に拍出できない先天性心疾患です。左心系の形成不全により、右心室が全身循環を担うため、心臓全体に大きな負荷がかかります。
症状
出生直後に重篤な症状が現れます。皮膚が青白く、呼吸困難、活動性低下、授乳困難、四肢が冷たくなることが多いです。左右心室間の血流が遮断されるとショック状態に陥り、皮膚が冷たく湿り、脈拍が弱く速く、瞳孔が拡大し目がぼんやりします。
原因
原因ははっきりしていませんが、胎児期の心臓形成過程での血流不足や遺伝的要因が関与すると考えられています。妊娠回数が増えるほど、次の子どもに同様の疾患が現れるリスクが高まります。
診断
妊娠中の超音波検査で左心室の発育不全が確認されます。出生後は心エコーで左心室のサイズが小さいことが診断の決め手となります。胸部X線でも心臓の形態は評価できますが、診断精度は低いです。
治療
根本的な治療は外科手術です。主に「ノーウッド法」という3段階手術が行われ、最終段階は2〜4歳で実施されます。手術により血流経路を再構築し、心機能を改善します。移植も選択肢の一つですが、適合ドナーが極めて少なく待機期間が長くなります。Mayo Clinicの報告では、2回目の手術を乗り越えた子どもの生存率は約95%です。
