トラウマ体験後の回復方法

はじめに

身近な人の死後、睡眠障害(不眠や夢・悪夢)、不安感、次に何が起こるかへの恐怖、リラックスできない、安心感の欠如、環境をコントロールしたい衝動など、さまざまな身体的・感情的反応が現れます。これらは大きく分けて「悲嘆(グリーフ)」と「外傷性ストレス」の二種類に分類されます。悲嘆は主に悲しみや喪失感が根底にありますが、外傷性ストレスは恐怖が根本にあり、同じように悲しみや喪失感を伴うことがあります。

回復のための5つのステップ

  1. 情報を得る

    トラウマ的な喪失後に起こり得る反応を事前に知っておくと、恐怖が和らぎます。具体的には、出来事の鮮明な記憶(映像・音・匂いなど)、トラウマを反映した悪夢、集中力や落ち着きの欠如、漠然とした不安や災厄感、喜びが感じられなくなる感情などです。

  2. 自分の反応は正常であると認識する

    「正気を失っている」と感じることがありますが、これらの反応は多くの人が経験する一般的なものです。自分だけが異常だと考えず、同じような体験をした人が世界中にいることを覚えておきましょう。

  3. 痛みは永遠に続かないことを知る

    急性の外傷反応は通常、出来事後6〜8週間で徐々に軽減します。8週間以上経過しても改善が見られない場合は、グリーフやトラウマに特化したカウンセラーへの相談を検討してください。長期間続く場合は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断され、専門的な支援が必要になることがあります。

  4. 自分を大切にする

    体調管理が回復の土台です。食欲がなくても1日3食を心がけ、十分な水分を取り、睡眠が困難なときは昼間に短い仮眠を入れるなど、休養を優先しましょう。「ゆっくりする」ことを自分に許可してください。

  5. 自分の声に耳を傾ける

    周囲の「外に出よう」や「活動しよう」という励ましは大切ですが、無理に従う必要はありません。自分が何を必要としているかは自分だけが知っています。自分の体や心が送るサインに敏感になり、必要なときは「NO」と言える勇気を持ちましょう。

悲嘆・死別 - 関連記事