なぜ臍帯をすぐに結紮しなくても良いのか?‑遅延臍帯結紮のメリットと推奨
遅延臍帯結紮が推奨される理由
出産後に臍帯をすぐに結紮しなくても良いとする考え方は、近年多くの医療機関で採用されています。遅延臍帯結紮(1~3分程度の遅れ)は、赤ちゃんに以下のような利益をもたらすことが報告されています。
血液量の増加:胎盤から赤ちゃんへ血液が多く流れ込むため、血液量が最大で50%増加します。これにより酸素供給が改善され、貧血予防につながります。
鉄分貯蔵の向上:遅延結紮で移行する血液は鉄分が豊富です。鉄分が増えることで、赤ちゃんの発育に不可欠な鉄欠乏性貧血のリスクが低減します。
感染リスクの低減:胎盤血液には抗菌因子が含まれており、遅延結紮によりこれらが赤ちゃんに供給され、感染予防に寄与します。
神経発達への好影響:いくつかの研究では、遅延臍帯結紮が赤ちゃんの神経発達を促進する可能性が示唆されています(ただし、確定的な結論には更なる研究が必要です)。
推奨団体と例外ケース
米国小児科学会(AAP)や世界保健機関(WHO)など、主要な医療機関が遅延臍帯結紮を推奨しています。一方で、以下の場合は結紮を早めることが求められます。
・母体が感染症を抱えている場合
・早産児や低出生体重児など、特別な医療管理が必要な場合
これらの例外を除けば、遅延臍帯結紮は赤ちゃんの健康に有益な選択肢とされています。
