精子の運動性(モビリティ)を測定する方法

概要

精子の運動性(モビリティ)は、受精可能性を評価する上で重要な指標です。顕微鏡で直接観察できても、医療現場で利用できる定量的な測定は専門的な手順が必要です。本稿では、ヒト・動物問わず同様に適用できる、標準化された測定手順を紹介します。

サンプルの準備

  1. 温度管理

    測定は通常、18.0〜24.0℃(64.4〜75.2°F)で行いますが、体温(37℃、98.6°F)での測定も可能です。温度が精子の活動に大きく影響するため、必ず恒温装置で管理します。

  2. 標本作成

    新鮮な精液を約10〜12µL採取し、サイズが20×20mmまたは24×24mmのガラススライド(ラメラ)に滴下します。スライドをもう一枚で覆い、均一な厚さを確保します。

  3. 厚さの調整

    標本の厚さは25〜30µmが目安です。標準化されたスライドを使用すれば、簡単にこの範囲に調整できます。

  4. 安定化

    標本を作成したら、約1分間静置して精子が環境に慣れるのを待ちます。

運動性の測定

  1. 顕微鏡観察

    倍率400〜600倍でスライドを観察し、左上方向に移動するように視野を設定します。

  2. 運動タイプの分類

    精子の運動は以下の4種類に分類します。

    • 高速進行運動
    • 低速進行運動
    • 非進行運動(円運動)
    • 非運動

    前2つは卵に向かってどれだけ速く進むかを示します。

  3. カウント

    各運動タイプの精子数を、4〜6つの視野でカウントします。

  4. モビリティ率の算出

    以下の式で算出します。

    モビリティ率 = (総精子数 − 非運動精子数)÷ 総精子数 × 100 %

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