除染エリアの基本原則と安全対策
除染エリアは手術器具の安全性を確保する上で最も重要な場所です。ここで器具や機器の汚染除去が行われ、清潔で安全に取り扱える状態にします。適切な除染手順を守ることで、作業者の安全と、十分に除染された器具の提供が実現します。
服装(PPE)
- 除染エリアは「汚染された部屋」とみなされます。ここに持ち込まれるすべてのものは、潜在的に有害な微生物が付着している可能性があります。作業者は必ず個人防護具(PPE)を着用し、感染リスクから自分と他者を守ります。一般的な必須装備は、手術用スクラブ、使い捨てブーティー、ヘアカバー、防水ガウン、ラバー手袋、フェイスシールド(またはマスク)です。
環境管理
- 除染エリアは微生物の拡散と増殖を抑える設計が求められます。部屋は負圧に保たれ、外部からの空気流入よりも排気が多くなるようにします。温度は約15〜18℃(60〜65°F)に設定し、作業者の快適さと微生物の増殖抑制を両立させます。湿度は30〜60%に維持し、湿度が高すぎると微生物が繁殖しやすくなるのを防ぎます。
作業フロー
- 除染エリアは「汚染→清浄」への一方向フローを徹底します。汚染された器具は部屋の一側から投入し、中央で洗浄・除染した後、反対側から出庫します。これにより、清浄品と汚染品が交差するリスクを排除します。
手作業での洗浄
- エリアに入るすべての器具は、汚染状態や損傷の有無を目視で確認します。表面が目に見えて汚れている場合は、水面下で擦り洗いし、エアロゾルの発生を防ぎます。内部にチャンネルやルーメンがある器具は、ブラシでこすり、流水で洗い流して残留物を除去します。洗浄剤を全表面に行き渡らせ、メーカーが推奨する接触時間を守った後、清浄または滅菌済みの水ですすぎます。必要に応じて、次工程の滅菌処理室へ搬送するか、洗浄機に入れて機械洗浄を行います。
機械洗浄
- 超音波洗浄槽、洗浄・除染機、専用洗浄装置などが利用可能です。対象器具が対応できる場合は、必ず機械洗浄を実施し、手作業だけでは届かない微細部位まで徹底的に除染します。ただし、デリケートな器具や電動機器は破損防止のため手作業で洗浄し、直接滅菌処理室へ搬送します。
