マルチモーダルイメージングとは何か?
マルチモーダルイメージングシステムは、光学・放射性・磁気という3つの特性を組み合わせた医療画像技術です。主に陽電子放射断層撮影(PET)、光蛍光・生体発光、磁気共鳴分光法(MRS)や単光子放射断層撮影(SPECT)などが統合され、MRIやPETの要素を併せ持ちます。
目的
マルチモーダルイメージングの目的は、特定の組織について「サイズ」「正確な位置」「代謝活動」のすべてを同時に可視化し、周囲組織の代謝状態まで評価できる包括的な画像を提供することです。これにより、腫瘍やその他の病変による組織機能の変化や異常を詳細に把握できます。
マルチモーダルイメージングの利用例
スタンフォード大学のマイケル・モーズリー氏とメルボルン大学のジェフリー・ドナン氏によると、2004年頃からマルチモーダルPET・MRIはがんや転移の評価に広く用いられ、特に脳腫瘍(膠芽腫)の診断に有効です。また、健康な被験者と脳卒中患者の脳機能解析にも活用されています。
マルチモーダルイメージングとHIV
カリフォルニア大学デイヴィス校の研究チームは、マルチモーダルイメージングを用いてHIVのライフサイクルを高解像度で観察しました。感染開始からウイルスが宿主細胞を利用して増殖し、免疫細胞を破壊する過程を可視化し、ニューヨーク・マウントサイナイ医科大学の研究者と共同で細胞間伝播のメカニズムを解明しました。
将来性
スタンフォード大学がん研究所は、マルチモーダルイメージングが病変が小さなうちに検出できる可能性に期待しています。従来の手法が数百万単位の異常細胞を必要とするのに対し、数十〜数百個の異常細胞でも診断が可能になるかもしれません。また、神経機能の研究にも応用されており、アルツハイマー病の初期段階の検出にも期待が寄せられています。
