HMO(健康維持組織)の歴史と概要
本稿では、HMO(Health Maintenance Organization)の誕生から法制度の整備、組織構造、そして21世紀における加入者動向までを時系列で解説します。
起源と成長
HMOは1920〜1930年代に、労働者団体が手頃な医療保険を提供するための集合体として誕生しました。大恐慌期に労働者と雇用主の双方に受け入れられ、福利厚生の一環として医療保険を提供することが魅力的になりました。戦後のベビーブーム期に米国でさらに普及しました。
メディケアの台頭とHMOの衰退
1950年代以降、米軍や社会保障局、AFL‑CIOは医療費削減を目的に給付を統合し、軍は従属家族向けに単一支払者制度を導入しました。この試みを受けてアイゼンハワー政権は高齢者医療の必要性を検討し、1960年代にメディケア制度が創設されました。同時期に管理医療(Managed Care)への不満が高まり、雇用主は多様な保険商品を提供するようになり、HMOの人気は低下しました。
HMO法(1973年)
米国保健福祉省は低迷するHMO市場を救うべく、議会に新法制定を要請しました。1973年に成立したHMO法は、各州が課していた制限を撤廃し、従業員25名以上の企業が健康保険を提供する場合は、連邦認定のHMOを選択肢に加えることを義務付けました。その結果、1970年代から1980年代にかけてHMO加入者は着実に増加しました。
HMOの組織構造
HMOは医師をネットワーク化し、加入者はそのネットワーク内の医師のみを利用します。医師グループが共同で患者を受け入れることで、個々の患者が負担する医療費を低減でき、HMOは診療費を医師に支払う形で運営されます。
HMO法施行後の動向
2001年には米国でのHMO加入者が8000万人に達し、人口の約29%を占めました。地域差は大きく、アラスカではほぼゼロ、マサチューセッツ州では44%、カリフォルニア州では53%がHMOを利用しています。21世紀初頭の10年間でHMO事業者数は16%減少しましたが、業界全体は依然として強固です。
