静脈穿刺採血の合併症
静脈穿刺(静脈採血)は、訓練を受けた採血技師(フォリボトミスト)が静脈を確認し、針を刺入して血液を採取する手技です。適切な技術と注意を払っても、採血中にさまざまな合併症が起こることがあります。
血腫(打痕)
最も頻繁に見られる合併症は血腫、すなわち打痕です。静脈から血液が漏れ出すことで皮下に血がたまり、紫斑ができます。特に女性や高齢者、細い静脈の方に起こりやすいです。通常は軽度で、圧迫と氷冷で自然に消失しますが、数日間は腕に目立つ痕が残ります。
動脈穿刺
稀に針が静脈ではなく動脈を刺すことがあります。この場合、強い痛みと大きな打痕が生じますが、長期的な影響はほとんどありません。
発汗・失神(失神症)
患者の不安が原因で起こることがあります。血液採取への恐怖心から大量の発汗(発汗症)や、極端な場合は失神(シンコープ)を起こすことがあります。失神自体は重篤ではありませんが、転倒時に頭部を打つ危険があるため、注意が必要です。
神経損傷
稀に針が静脈に近い小さな感覚神経に当たることがあります。その結果、電気ショックのような鋭い痛みが走ります。痛みは数週間続くことがありますが、通常は自然に回復します。
これらの合併症はほとんどが軽度で自然に回復しますが、適切な対処と患者への説明が重要です。
