PICCライン設置の禁忌事項

PICC(末梢挿入中心カテーテル)は、ベッドサイドで特別訓練を受けた看護師が挿入できる、最小侵襲の中心静脈アクセス手段です。経口栄養や化学療法など様々な治療に有用ですが、以下のような禁忌が存在します。これらを把握し、適切な部位選択と患者安全を確保しましょう。

皮膚感染

挿入部位に皮膚感染がある場合は、細菌がカテーテルを通じて血流に入り込み、敗血症を引き起こすリスクが高くなります。感染が確認された部位は避け、清潔な別の部位を選択してください。

既知の中心血管閉塞

中心静脈への通過が妨げられる状態は禁忌です。たとえば、ペースメーカーが埋め込まれている側の腕にPICCを挿入すると、カテーテルとデバイスが干渉し、機能不全を招く恐れがあります。血管閉塞や先天性心疾患の手術歴がある場合も同様です。

透析瘻(ふろう)

透析用の瘻がある腕は、血管が再配向されているためPICCの挿入は不可能です。さらに、瘻を損傷する危険があります。末期腎不全患者で将来の透析瘻確保が必要な場合は、特に慎重にリスクとベネフィットを比較検討してください。

乳房切除術後およびリンパ浮腫

乳房切除術やリンパ節郭清を受けた側の腕への挿入は禁忌です。リンパドレナージが障害されていると、カテーテルによるリンパ液の滞留や腫脹、感染リスクが増大します。

敗血症

敗血症が疑われる、または血培養が陽性の患者には、感染コントロールが完了するまでPICCの挿入は避けるべきです。血中に大量の細菌が存在すると、カテーテル挿入自体が新たな感染源となり得ます。

出血性障害

凝固障害がある場合は、穿刺部位からの過度な出血や血腫形成のリスクが高まります。また、血栓症があると、腕の血管内で血栓が形成され、肺塞栓症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

病院 - 関連記事