メディケイド(Medicaid)プログラムの歴史と現状
アメリカ合衆国では医療制度が大きな議論の対象です。政府が全員に保険を提供すべきか、個人が民間保険に加入すべきかという論争があります。2010年時点で連邦政府は主に2つの保険制度、メディケアとメディケイドを資金提供しています。メディケイドは連邦と州が共同で運営し、低所得者層の医療費をカバーします。
特徴
- 各州が独自にメディケイドを運営し、連邦政府が費用の一部を負担します。州は連邦の基準を満たすことで資金を受け取ります。
- 州は受給資格や対象サービスを独自に設定できますが、連邦が定めた対象者(低所得の子ども・高齢者・障害者・盲目者など)への給付は義務付けられています。
- 一般的に提供されるサービスは、妊産婦ケア、基礎的な入院・外来診療、X線検査、子どもの予防接種、在宅医療、介護施設サービスなどです。
起源
- 1960年代に貧困問題が社会的関心を集め、1965年の社会保障法改正で高齢者向けメディケアと65歳未満の低所得者向けメディケイドが創設されました。
- 1966年1月1日に連邦政府は州へメディケイド資金を提供開始し、各州は数年かけて独自の制度を整備しました。
適用範囲の拡大
- 1980〜1990年代の立法により、妊産婦や生後1歳までの乳児などへの給付が追加されました(1986年)。
- 1990年の包括的調整法(Omnibus Reconciliation Act)で「メディケイド薬剤リベートプログラム」が創設され、州は割引価格で提供される医薬品のリベートを受け取ることが可能になりました。
支出削減策
- 2000年代に入るとメディケイド支出が批判の対象となり、2005年の財政赤字削減法(Deficit Reduction Act)により、対象者に保険料や自己負担金の支払いが義務付けられました。
- 同法は新規受給者が資産を移転した後に給付が開始されるまでの待機期間を延長し、身分証明書の提示(パスポート、運転免許証、出生証明書など)を義務付けました。
現在の課題
- 医療費の高騰、ベビーブーマー世代の高齢化、そして医療制度改革への国民的関心がメディケイドに影響を与え続けています。
- 2009年の世論の高まりを受け、2010年の医療・教育調整法(Health Care and Education Reconciliation Act)で低所得成人(扶養子なしの成人)への適用が拡大されました。
