医療費の回収と信用情報への影響
未払い医療費と信用情報への影響
米連邦準備制度理事会の2003年の調査によると、未払い医療費が信用報告書に記載される回収件数の約半数を占めています。保険の有無にかかわらず、医療費の支払いは大きな消費者問題です。保険で全額がカバーされない場合、差額は自己負担となり、未払いが続くと民間の回収業者に委託され、信用情報に7年間残ります。
保険限度額が足りないケース
たとえば自動車事故で治療費が25,000ドルかかったとします。自動車保険と健康保険のそれぞれの限度額が10,000ドルずつの場合、残りの5,000ドルは自己負担です。病院が保険会社同士の支払い責任を巡って争い、最終的に回収業者に回されると、信用情報に記録されます。
HIPAA(医療保険携行性・責任法)と回収
2003年に施行されたHIPAAは患者の医療情報保護を主目的としていますが、医療提供者が未払いの請求を回収業者に報告する権利も与えています。回収業者はその情報を信用機関へ送ります。提供者が開示できるのは氏名・住所・生年月日・社会保障番号・支払い履歴・口座番号・請求者の名称・住所だけです。
回収に関する法律
連邦の公正債務回収慣行法(FDCPA)は、債務者へのハラスメントやプライバシー侵害を禁じています。たとえば、午前8時前や午後9時以降の電話、執拗な連絡、脅迫的な言動は違法です。弁護士がいる場合は回収業者に弁護士へ連絡するよう指示できます。回収業者は訴訟を起こす権利はありますが、実際に起こす意思がない限り訴訟を脅すことはできません。
実務的なアドバイス
請求書が回収段階に進む前に対処することが最善です。医療機関から請求書が届いたらすぐに連絡し、支払額が正しいか確認しましょう。保険適用後の二重請求や誤記載があることがあります。支払可能な金額はすぐに支払い、残額がある場合は現実的な分割払いプランを交渉し、必ず履行してください。回収に回ると信用記録に深刻なダメージを与えます。
私立非営利病院の取り組み
私立非営利病院は、保険未加入者や保険が不十分な患者に対して一定のケアを提供する義務があります。これは非営利ステータスを維持する条件の一部です。しかし、2008年の米政府会計局(GAO)報告書によると、非営利病院が慈善医療を提供すべき基準は曖昧で、IRSの規定も明確ではありません。そのため、患者側は請求交渉の余地が比較的大きいと言えます。
