病院の廃棄物削減ガイド
米国の医療機関は年間約40億ポンド(約18億トン)の廃棄物を埋立地に排出しています。一方、世界保健機関(WHO)によると、病院廃棄物の75〜90%はリスクの低い一般廃棄物であり、適切な廃棄物管理により大幅に削減可能です。医療業界はこの課題を認識し、廃棄物削減のための革新的な取り組みを進めています。
廃棄物削減の実践手順
廃棄物を分別し、汚染や特殊処理が必要な量を減らします。分別用容器に何が入れられるかを明示し、使用します。病理学的廃棄物(臓器や組織など)のみが焼却対象です。
包装が最小限の製品を選び、必要なものだけを調達します。例えば、手術用の既製パックには使われないはさみやクランプ、IVチューブが多く含まれ、開封後は全体が廃棄されます。サプライヤーと協力し、現場でカスタマイズした手術パックを作ることが可能です。
ガラス・金属・布製など再利用可能な品目を購入し、食事用皿やトレイ、ベッドリネン、患者・手術用ガウン、下敷き、紙おむつなどを洗浄・滅菌して再使用します。Sustainable Hospitals の調査では、250床規模の病院で再利用品への投資により年間約40万ドルのコスト削減が見込めるとされています。
手術器具の滅菌に使用される青色ラップ(プラスチック)をリサイクルするか、再利用可能な金属製手術ケースに切り替えます。青色ラップは手術部門が排出する廃棄物の大部分を占めています。
眼科用ナイフや整形外科用ブレード、超音波メスなどの医療機器を再処理します。再処理は洗浄・滅菌・再包装・再ラベル付けを行い、外部業者に委託可能です。米国の調査では、100床規模の病院で手術室機器の再処理だけで最大10万ドルの節約が可能とされています。
再利用可能な鋭利物容器を導入し、何度も詰め替えて使用します。注射器、カミソリ刃、メス、はさみなど皮膚を刺すものは鋭利物と呼ばれます。カリフォルニア州保健局は「赤いバッグ廃棄物ストリームのグリーン化」記事で、再利用容器の導入メリットと手法を紹介しています。
効果的なリサイクル方針を策定し、スタッフにリサイクルの重要性と責任を教育します。紙・段ボール・金属・ガラス・プラスチックなど、病院で日常的に発生する資源のリサイクルを促進します。
これらの取り組みを組み合わせることで、病院は廃棄物量とコストを大幅に削減し、環境負荷の低減にも貢献できます。
