血液検査で双極性障害を診断する新たなアプローチ

背景

米国保健福祉省によると、現在約4400万人が何らかの精神疾患を抱えているとされている。その中でも双極性障害(旧称:躁うつ病)は、重度のうつ状態と躁状態が数週間から数か月単位で交互に現れることが特徴である。患者自身が自分の状態を正確に評価しにくいため、診断や治療が困難になることが多い。

意義

研究者は精神疾患に対する感受性が高い遺伝子マーカー群を特定し、これらを用いて被験者の高揚状態と低沈状態を予測する実験を行った。予測精度は 77%〜85%に達し、がん検診の精度に匹敵する結果が得られた。

将来展望

この種の遺伝子検査は、医師が治療効果を評価したり、早期介入や予防に活用できる可能性がある。精度向上のための研究は続いているが、2013 年頃には臨床現場での利用が期待されていた。

期待できる効果

正確な遺伝子検査が実現すれば、患者は最適な薬剤と適切な投与量を受け取れるようになる。また、精神疾患が他の身体疾患と同様に客観的に診断できることで、スティグマ(偏見)を軽減し、治療へのハードルが下がると考えられている。

留意点

検査結果の取り扱いには倫理的課題が伴う。遺伝情報が就職・大学入学、保険加入、あるいは軍・警察といった高リスク職の採用選考に利用される恐れが指摘されており、差別や偏見の原因になる可能性がある。検査の導入に際しては、プライバシー保護と適正利用を徹底する必要がある。

双極性障害 - 関連記事