ドーパミン仮説

ドーパミン仮説によれば、統合失調症患者の脳内でドーパミン(神経伝達物質)が過剰に働いているとされています。特に中脳辺縁系経路におけるドーパミンの過剰は、運動機能や認知機能の障害、すなわち幻覚(音声・視覚)を引き起こす原因と考えられています。

脳構造の変化

統合失調症患者の一部では、前頭葉を中心とした脳構造に変化が見られます。MRI(磁気共鳴画像)検査では、灰白質の減少や全体的な脳容積の低下、活動低下が顕著に観察されます。

脳室と基底核のサイズ

患者の脳では、脳室と基底核(前頭葉付近)が拡大していることが多く、逆に海馬や扁桃体(杏仁核)は縮小している傾向があります。

海馬の異常活動

コロンビア大学の研究(Science Daily 2009)によると、統合失調症のリスクが高いと判定された被験者の海馬がスキャン時に過剰に活動していることが分かりました。この高活動状態が続く被験者の多くが後に統合失調症を発症しており、早期診断の手がかりになる可能性があります。

治療法

統合失調症は抗精神病薬(例:ジプレキサ、オランザピン、リスペリドン)で治療します。これらの薬は陽性症状(幻覚・妄想)と陰性症状(感情の平坦化・社会的引きこもり)を軽減しますが、口の渇き、眠気、視力ぼやけ、遅発性ジスキネジア(舌・顔・顎の不随意運動)などの副作用が報告されています。