統合失調症患者の治療ガイドライン
急性期(Acute Phase)
急性の精神病エピソードが起きた場合、まず患者と家族の安全を確保し、危険行動を抑え、精神症状の重症度を低減させます。また、エピソードの原因(薬物不遵守、薬物乱用、ストレスなど)を特定し、速やかな機能回復を目指します。
診療では、精神・身体の既往歴を含む詳細な問診と身体検査が必須です。患者が同意すれば、家族や支援者への定期的なインタビューも行います。薬剤への不遵守が原因の場合は、原因を治療計画に組み込みます。
副作用が重大でなければ、できるだけ早期に抗精神病薬を投与します。既往の薬剤経験や服薬形態(経口薬が一般的だが、再発が頻繁な場合は長期作用注射が有効)を考慮して選択します。
安定化期(Stabilization Phase)
この期間はストレスを低減し、再発予防の支援を行います。患者が地域社会に適応できるよう支援し、回復を促進しつつ症状をコントロールします。改善が見られた領域の治療は最低でも6か月継続し、薬剤の中止や減量は再発リスクを高めるため慎重に判断します。急性期で出現した副作用は継続的に評価し、必要に応じて薬剤調整を行います。治療の中断は避け、日常生活や地域での機能維持を支援します。
維持期(Stable Phase)
維持期の目的は症状の安定化と社会生活・生活の質の向上です。再発や副作用のモニタリングを続け、患者本人の合意のもとで、身近な支援者(家族・友人)と密接に連絡を取り、早期に変化を察知できる体制を整えます。
治療環境(Treatment Settings)
患者が自分や他者に対して危険を及ぼす恐れがある場合や、継続的な監視が必要な場合は入院が推奨されます。入院の必要性が不明確なときは、デイケアや地域ベースのプログラムを検討します。デイケアは時間制限がなく、社会適応が難しい統合失調症患者に対して長期的な支援を提供します。
